Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
十
伝七郎は、一同へ酒をすすめていう。
「飲んだうえで、今日からひとつ武蔵の宿所を捜し出してくれい。なに、まだ他国へは出ていまい。勝ち誇って、そこらを肩いからして歩いているに相違ない。――いいか、そのほうの手配と、次にはこの道場だ。こう寂れさせて置いてはいかぬ。ふだんの通り稽古を励みあうことだな。……おれも一寝入りしてから道場へ出るよ。兄貴とちがって、おれのはちと烈しいぞ。そのつもりで、末輩にも、これからはびしびしやってもらいたい」
十
それから七日ほど後のこと。
「わかった!」
と外から喚きながら、吉岡道場へもどって来た一名の門人がある。
道場では、先頃から伝七郎自身が立って、予告しておいた通り、ひどく手荒い稽古をつけ始めた。
今も、彼のつかれを知らない精力に大勢が辟易顔して、次に名ざしを受けるのを恐れるかのようにみな隅へ寄り、古参の太田黒兵助がまるで子どもみたいに扱われているのを見ていたところだった。
「待て、太田黒」
伝七郎は木剣をひいて、今、道場の端へ顔をあらわして坐った男へ眼をやり、
「わかったか」
と、そこからいった。
「わかりました」
「どこにいたか、武蔵は」