Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
四
(何用だろうか?)
迎えに来た者が知らないのであるから、武蔵には元よりわかっていない。
ただ東塔山王院の堂衆だということだけは途中で聞いた。しかしその堂衆のうちに、一人として知合などはいそうもないのである。
「大儀じゃった。おぬしらに用はない。門内へ退ッ込んでおれ」
ひとりの大法師が、長柄刀の先で、使いにやった仲間僧と稚児僧とを追い払った。
そして武蔵へ向い、
「そこもとが宮本武蔵か」
と、訊ねた。
先が礼を執らないので、武蔵も直立したまま、
「されば」
と、頷いてみせた。
すると、その後ろから、ずいと一足進み出した老法師が、
「中堂延暦寺の衆判により申しわたす」
と奉書でも読むような口調でいった。
「――叡山は浄地たり、霊域たり、怨恨を負うて逃避するものの潜伏をゆるさず。いわんや、不逞闘争の輩をや――じゃ。ただ今、無動寺へも申しおいたが、即刻、当山より退去あるべし。違背あるにおいては、山門の厳則に照らして断乎処罰申そうぞ、左様心得られい」
「……?」
武蔵は、唖然として、相手の厳めしさをながめていた。
なぜだろう。不審なわけだと思う。初めこの無動寺へたどりついて、身がらを依頼した折に、無動寺では念のため、中堂の役寮へ届けを出して、