Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
必殺の地
一
……これ御亭主、客の盗難は、宿主も責めを負わずばなりますまい。なんとして下さるのじゃ」
「へえ……それではご隠居様には、あの食い逃げ娘を、前からご存じでございましたので。――ならば、手前どもで踏み倒された勘定や立て替えのほうを先に、なんとかしていただきたいものでございますが」
亭主がいうと、お杉は、眼を白黒しながら、あわてて顔を横に振った。
「な、なにを仰っしゃる、あんな盗ッ人娘に知る辺はない。ささ、又八、まごまごしていると鶏が啼きだすぞ、出ましょうわい、出ましょうわい」
必殺の地
一
――まだ月がある。
朝といっても恐ろしく早いのだ。自分たちの影法師が白い道の上に、黒々と重なって動くのが、なんだか不思議に見える。
「案外だなあ」
「ウム、だいぶ見えない顔がある。百四、五十人は集まると思っていたが」
「この分では、半分かな」
「やがて後から見える壬生源左衛門殿や、御子息や、あの親類がたを入れて、まあ六、七十人だろうな」
「吉岡家も廃ったなあ。やはり清十郎様、伝七郎様の二つの柱がもう抜けてしまったのだ。大廈の覆るとはこのことか」
影法師の一かたまりが囁いていると、彼方の石垣の崩れに腰かけている一群が、