Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「朝飯は」

「おらもまだ。先生も、まだだろう」

「ウム。薪はあるか」

「薪なら、くれてやる程あるよ。――この縁の下は、みんな薪だよ」

蓆を巻いて、床下へ首を突っ込むと、日頃、開墾するうちに心がけて運んだ木の根瘤だの、竹の根だのが、山をなすほど蓄えてある。

こんな幼い者にでも経済の観念がある。誰がそれを教えたか。まちがえばすぐ飢え死ぬ未開の自然が生活の師であった。

粟飯をたべ終ると、伊織は、武蔵の前へ一冊の書物を持って来て、

「先生、水が退かないうちは、どうせ仕事にも出られないから、書を教えてください」

と、畏まっていった。

外は、その日も終日、吹き歇まない暴風雨であった。

三

見ると、論語の一冊である。これもお寺で貰ったのだという。

「学問をしたいのか」

「ええ」

「今までに、少し書を読んだことがあるか」

「すこし……」

「誰に教わった」

「お亡父さんから」

「何を」

「小学」

「すきか」

「すきです」

伊織は、その体から知識を燃やしていった。

「よし、わしの知ってる限り教えてやろう。わしに及ばない所は、今に、学問のよい師を見出して就くがよい」

暴風雨の中に、ここの一軒だけは、素読の声と講義に一日暮れて、屋根はふき飛んでも、この師弟は、びくとも膝を立てそうもなかった。