Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

四

どうして、お前、こんな所へ来ているの」

「自分こそ、どうしたのさ」

「あたしはネ……知ってるだろ。よもぎの寮の養母さんとも別れちまって、それからいろんな目に会ってね」

「あの……大勢の女郎衆と、一緒なのかい」

「でも、まだ、考えてるの」

「何をさ」

「傾城になろうか、やめようかと思って」

こんな子供にと思っても、朱実には、こんな嘆息を、ほかに聞いてもらう人はなかった。

「……城太さん、武蔵様は今、どうしていらっしゃるの?」

やがて、そっといったが、彼女が初めから訊きたいことは、むしろそれだけらしかった。

四

武蔵の消息を訊かれると、城太郎は、そのことなら、此方から訊きたいところだと、いわぬばかりに、

「知らないよ、おいらは」

「なぜ、あんたが知らないのさ」

「お通さんとも、お師匠様とも、途中でみんな、迷れてしまったんだもの」

「お通さんて――誰?」

朱実は、急に、彼のことばに、注意をかたむけ、そして、何か憶い出したように、

「……ああそうか。……あのひとは、いまだに武蔵様の後を追いまわしているのね」

と、呟いた。

朱実が常に想像している武蔵は、行雲流水の修行者であった。樹下石上の人だった。