Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
三
「我慢は辛いものだ。大川の水がみんな酒に見える」
「お稚児、あそこで網を打っている船へ寄せて、肴を少し買い込め」
心得て、お稚児が漕ぎよせて、漁師にかけ合うと、なんでも持って行きなされと、漁師は船板を開けてみせる。
山国で老いたお杉ばばには、目をみはるほど珍しかった。
船底にバチャバチャ生きている魚を見ると、鯉、鱒がある。すずき、鯊にくろ鯛がある。手長えびや鯰もある。
半瓦は、白魚をすぐ醤油につけて喰べ、彼女にもすすめたが、
「生ぐさは、よう喰べぬ」
と、ばばは首を振って、おぞけをふるった。
舟は間もなく、隅田河原の西へついた。河原を上がると、波打ち際の森の中に、すぐ浅草観音堂の茅葺屋根が見えた。
三
人々は河原へ降りた。ばばは少し酔っている。年のせいか舟から足を移すのに、よろめく気味であった。
「あぶない、手をとろう」
半瓦が手をひくと、
「なんの、やめてくだされ」
婆は手を振る。
年より扱いが元から嫌いな性なのである。乾児の菰の十郎とお稚児の小六は、舟をつないで後から従いた。河原は渺々として眼の限り石ころと水であった。
するとその河原の石ころを起して、蟹でも捕まえているらしい子供が、たまたま、河から上がった珍しい人影を見て、