Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
征夷
一
足拵えをして来たのである。
「先生、おらの後に、従いといでよ。おらが案内するから」
武蔵は、首を振って、
「おまえは、小屋で待っておれ」
「え、どうして」
「あぶない」
「あぶなかないよ」
「足手纒いじゃ」
「だって、村へゆく近道を、先生は知るまい」
「あの火が、よい道案内。よいか――小屋の中でおとなしく待っているのだぞ」
「はい」
仕方なしに、伊織はうなずいたが、今までの、正義に昂ぶった小さい魂は、飛躍のやりばを失って、急にぽつねんと、淋しい顔をしてしまった。
村は、まだ焼けていた。
その炎に、赤く見える野面を、鹿のように駈けてゆく影が、武蔵であった。
征夷
一
親や良人は殺され、子は見失って、数珠つなぎに捕われてゆく贄の女たちは、オイオイと手放しに泣きながら、野を追い立てられて行った。
「やかましいっ」
「歩かねえか」
土匪たちは、鞭を振って、彼女らを撲りつけた。
ひいイっと、一人が仆れる。繋がっている前の女、後ろの女も仆れる。
土匪は、綱をつかんで、引起しながら、
「こいつら、諦めのわるいやつらだ、稗粥をすすって、痩せ土を耕しながら、骨と皮ばかりになっているより、おれ達と暮してみろ、世の中が面白くて堪らなくなるから」