Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
銭
一
銭
一
眼をさますと、武蔵はすぐ思い出す。――お通はどうしたろう。また、城太郎はどこを歩いているだろう。
「やあ昨夜は」
と、朝の膳で、石母田外記と顔をあわせる。忘れるともなく話に紛れて、やがて旅籠を立ち出ると、この二人も、中山道を往還する旅人の流れの中に交じって行く。
武蔵は、その行き来の流れに、絶えず無意識のうちにも眼をくばっていた。
似た人の後ろ姿にも、はっとして、
(もしや?)
と、すぐそれかと思う。
外記も気がついたのか、
「誰方か、お連れでも、お探しかの」
と、訊く。
「さればです」
と、武蔵は掻いつまんで事情を話し、江戸へ参るにしても、途々、その二人の安否を心がけて行きたいから、ここでべつな道を取りたいと、それを機に、夜来の礼をのべて別れかけた。
外記は、残念そうに、
「折角よい道連れと存じたが、それではぜひもござらぬ。――したが、昨夜も諄々お話ししたが、ぜひ一度、仙台の方へお越しください」
「忝う存じます。――折もあらばまた」
「伊達の士風を見ていただきたいのじゃ。さもなくば、さんさ時雨を聞くつもりでおざれ。歌もいやならば、松島の風光を愛でに渡らせられい。