Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
二
と、眼をまるくした。
二
伊織は、樹の上から、飛び降りて――
「おじさん、露地の陰へ、また変な男が来て、しゃがみ込んでたよ。梅の実を打つけてやったら、びっくりして、逃げてったけれど、油断してると、また来るかもしれないぜ」
と、細工場の窓へ告げた。
耕介は、手を拭きながら出て来て、
「どんな奴だった?」
「無法者だよ」
「半瓦の乾児か」
「こないだの晩も、店へ押し襲けて来たろ。あんな風態さ」
「猫みたいな奴らだ」
「何を狙いに来るんだろ」
「奥の怪我人へ、仕返しにやって来るのだ」
「あ。北条さんか」
伊織は、病人のいる部屋を、振返った。
病人は粥を喰べていた。
その北条新蔵の負傷も、もう繃帯を脱っていい程に恢復していた。
「――御亭主」
新蔵がそこから呼ぶので、耕介は縁先へ歩いて行って、
「いかがですな」
と、慰めた。
食事の盆を片寄せて、新蔵は坐り直した。
「耕介どの。思わぬお世話に相成った」
「どういたしまして。仕事があるのでつい行き届きませんで」
「何かとお世話ばかりでなく、拙者を狙う半瓦の部屋の者が、絶えずこそこそ立ち廻るらしいな。長居するほど迷惑はかさむし、万一当家へあだをするようでは、この上にも申し訳がない」