Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
木魂
一
――しかし、なにしろまずこれでよかった。と武蔵は思う。
他人の死に興味をもち、他人が鮮血を賭けてする生霊のやむなき大悲願事をふところ手で――後学のためとかなんとかいって――虫のよい傍観者に廻り、その上、双方へ恩着せがましく、いい子になっていようという横着者。
(その手は食わない)
武蔵は、おかしくなった。
頻りと敵の侮れぬことを告げ、こちらへ対して助太刀の有無を訊いたのは、そういったら武蔵が膝を屈して武士の情けに一臂の力を貸してたまわらぬか――とでもいうかと思っていたかしらぬが、武蔵は、その言葉にも乗らなかった。
(生きよう。勝とう)
と思えば助太刀もほしくなるかも知れぬが、武蔵には、勝てる気もない、明日の後まで、生きようとも思われない――いやありのままにいえばそんな自信はなかったという方が正しかろう。
ひそかに、彼がここへ来るまでのあいだに探り得たところでも、今暁の敵は百数十名にものぼるらしく察しられた。あらゆる方法のもとに、自分を害さずば熄まない状態にあることも頷けたのである。――なんで生きる工夫に焦ってみる余地があろう。
けれど武蔵は、その中でもかつて沢庵のいった――