Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

六

いくら今の鍛冶が、小賢しく、真似てみても、もう二度と、この日本でもできない名刀を――実に、可惜くやしいことじゃございませんか」

と、いうと、何思ったか、ふと立ち上がって、

「これなども、やはり他から研を頼まれて、預かっている名刀の一つですが、ごらんなさい、惜しい錆をわかせています」

と、怖ろしく長い太刀作りの一刀を持ち出して来て、武蔵の前へ、話題の実証として置いた。

武蔵は、その長剣を何気なく見て、はっと驚いた。これは佐々木小次郎の所有する「物干竿」にちがいなかった。

六

考えてみれば不思議はない。ここは研師の家であるから、誰の刀が預けられてあろうとも、べつだん奇とするには当らない。

けれど、佐々木小次郎の刀を、ここで見ようとは思いがけないことと、武蔵は追想に耽りながら、

「ほ、なかなか長刀でござりますな。これほどな刀を差しこなす者は、相応な侍でございましょう」

と、いった。

「さればで」

と、耕介も合点して、

「多年、刀は観ていますが、これほどな刀は、まあ尠ない。ところが――」

物干竿の鞘をはらい、みねを客の方へ向けて柄を手渡しながら、

「ごらんなさい、惜しい錆が三、四ヵ所もある。