Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「もう、心配おしでない。吉野様がお声をかけて下さりさえすれば、この廓で通らぬことはないのだから」

「おばさん、おいらのお師匠様はほんとにいるんだろうね」

「いないものを、なんでおまえを捜して、こんなところへ連れて来ましょう」

「いったいこんなところでなにしてるんだろ?」

「なにしていらっしゃるか。……それはもう、そこに見える田舎家の内においでになるから、戸の隙間からのぞいてごらん。……では、わたしは彼方のお座敷がいそがしいから」

引船は彼方の庭の植込みへ、忍びやかに、影をかくした。

三

ほんとかなあ?

ほんとにいるのかしら。

どうも城太郎には、素直に信じられないらしいのである。

あれ程、捜しに捜しぬいていた師の武蔵が、今、自分の立っているすぐ眼の前の小屋の中にいる――それがどうも彼には余り簡単すぎて受けとり難い。

では諦めて、止すかと思えば、それどころか、その田舎家を繞り歩いて、しきりともう、中を覗き得る窓をさがしている城太郎なのでもある。

家の横に、窓はあった。ただし彼の背丈では寸法がちと足らない。そこで城太郎は、植込みの間から石をころがして来てそれへ乗ってみた。