Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

四

「拙者に、待てといわれたのは誰だ。いかにも、拙者は武蔵だが」

彼が、見渡していうと、

「われわれだ。ここにいる一同が呼びとめたのだ」

「では、吉岡の御門下か」

「いうまでもなかろう」

「御用事とは」

「それも、改めて、ここでいう必要もないと思う。――武蔵、支度はいいか」

四

「支度?」

ちらと唇が歪む。

鉄の桶みたいに、彼を囲んでいる殺気は、彼の白い歯から洩れた冷笑に、ふと毛穴の緊まるようなものに面を吹かれた。

武蔵は、語気を揚げて、すぐいいつづけた。

「武士の支度は、寝る間にも出来ておること、いつでも参られい。理も非もない喧嘩仕かけに、人間らしい口数や、武士らしい刀作法は、事おかしい。――だが、待て、一言聞いておきたい。各※(二の字点、1-2-22)はこの武蔵を、暗殺したいか、正当に討ちたいか」

「…………」

「意趣遺恨で来たか、試合の仕返しで来たか。それを訊こう」

「…………」

言葉のうちにでも、勿論、武蔵の眼――またその体に斬り込める隙が見出せたなら、囲りの刃は穴から水の噴くように、彼の虚へ向って衝いて出るはずであるが、そういう者もなく、数珠のような沈黙に縛られている大勢のうちから、