Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
「おれが元気になるかと思えば、おふくろが弱音を吐くし、おふくろが強くなるかと思えば、おれの根気がはぐれてしまうし、これじゃあ、いたちごッこだ」
「なんの、今日はわしも骨休めに一日寝ていたが、まだおぬしに弱音を聞かせるほど、年は老らぬ。――して又八、なんぞ世間で、お通の行き先とか、武蔵の様子とか、耳よりな話は聞かなんだか」
「いやもう、聞くまいとしても、えらい噂だぞ。知らないのは、昼寝しているおふくろぐらいなものだろう」
「やっ、えらい噂とは」
お杉は膝をつき寄せて来て、
「なんじゃ? 又八」
「武蔵がまた、吉岡方と、三度目の試合をするというのだ」
「ほ、どこで何日」
「遊廓の総門前にその高札が建ててあったが、場所はただ一乗寺村とだけで、詳しくは書いてない。――日は明日の夜明け方となっていた」
「……又八」
「なんだい」
「汝れは、その高札を、遊廓の総門のわきで見たのか」
「ウム、大変な人だかりさ」
「さては昼間から、そのような場所で、のめのめと遊んでいたのじゃろうが」
「と、とんでもねえ」
慌てて手を振りながら、
「それどころか、稀に酒ぐらい少し飲むが、おれは生れ代ったように、あれ以来、武蔵とお通の消息を探り歩いているじゃねえか。