Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
三
三
半弓を携えた門人が三名、鉄砲を持った門人が一名、
「お呼びですか」
と、前へ進んだ。
御池十郎左衛門は、
「ウム」
と頷いたのみで、源左老人へ向っていった。
「御老台、実は、こういう用意までいたしているのでござる。もう御懸念は去りましたろう」
「ヤ、飛び道具」
「どこか、小高い場所か、樹の上に伏せておいて」
「醜い仕方と、世間の評がうるさくはないか」
「世評よりは武蔵を斃すことが第一だ。勝ちさえすれば世評も作れる。敗れたら真実をいっても、世間は泣き言としか聞いてくれまい」
「よし、そこまで、腹をすえてやる儀なら、異存はない。たとえ武蔵に、五人や六人の加勢がついて来ても、飛び道具があればよも討ち洩らしもいたすまい。……では評議に手間取っているうちに、不意を衝かれてもなるまいぞ。采配はまかせる。すぐ配備配備」
老人が、合点すると、
「では、潜め」
一同の頭の上へ、十郎左衛門が叱咤をながした。
三方の街道は、敵の出ばなを挫き、同時に、前後を挟撃するという戦法のもとにかくれている前衛であり、下り松は、本陣という形でここには十名ほどの中堅が残る。
蘆間の雁のように、黒い影法師は駈け別れ、藪に沈み、樹蔭に隠れ、田の畦に腹這いになった。