Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

なにを観るにも、武蔵は、剣というものを離れては考えられない。

剣から画を考えても、ぼんやりとその程度には理解できる。――けれどなお分らないのは、妙秀や光悦が、いかにも楽しげにいることだ。母子として、黙って背中を向け合っているが、その姿がどっちを見ても、今日という一日を楽しんで、飽かないさまでいることが不思議でならない。

(閑人だからだろう)

彼は、単純にそう片づけ、

(この険しい時勢の中に、絵をかいたり、茶をたてたり、こういう人もいるものかなあ。……おれには縁のない世界の人間だ、親代々の財産をだいじに抱えて、時勢のそとに遊んでいる上等な逸民という者だろう)

退屈はやがて、気懶いものを誘ってくる。懶気は禁物と誡めている武蔵にとって、そう気がつくと、わずかな間も、こんな所にいられない気がしてくる。

「お邪魔をしました」

武蔵は、脱いだ草鞋をはきかけた。思わぬ暇つぶしでもしたように、その様子が遽に取って付けたように見えた。

「……ホ、お立ちか」

妙秀は意外そうにいった。光悦も静かにふり向いて、

「せっかく、母が今、粗末ですが茶をさしあげようと思って、心をこめて釜の湯を見ております。