Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
元より、きょうとは限らぬこと、どうぞお連れかえりください」
「いいえ、呼びにまいりましたのはこの稚児僧ではなく、あなた様におさしつかえなければ、戻っていただきたいと思いまして」
「なに、拙者に?」
「はい、折角、お出ましになった途中を、なんとも恐れ入りますが」
「誰か、拙者を訪ねて来た者でもあるのでござるか」
「――一応は、留守と申しましたが、いや今ついそこで見かけた、どうでも会わねばならぬから、呼び戻して来いというて、頑として動かないのでございます」
――はて誰だろうか、武蔵は小首をかしげながらともかくも歩み出した。
四
山法師の横暴ぶりは、政権や武家社会からは、完全に追われていたが、尾羽打ち枯らしても、まだ山法師そのものの棲息は、この山に残存していることは勿論である。
雀百までの喩えのとおり、未だにすがたも革まらないで、高木履をはき、大太刀を横たえているのがあるし、長柄刀を小脇に持っているのもある。
それが一かたまり、ざっと十名ほど、無動寺の門前で、待ちかまえていた。
「……来た」
「あれか」
耳打ちし合いながら、朽葉色の頭巾や黒衣の影が、もうそこに近く見えて来た――武蔵と稚児僧と、その二人を迎えに行った仲間僧のすがたとへ、じっと、視線をそろえた。