Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
(さし閊えない)
という許可をうけ、その上で、自分の滞在を許してくれたのであった。
それを急に、罪人でも追うように追い立てるには、なにか、理由がなくてはならない。
「仰せの趣は承知いたしました。支度もととのわず、今日はもはや明るい間も乏しゅうござれば、明朝、発足つかまつりましょう。それまでの御猶予を」
武蔵は一応、そうおとなしく受けておいて、
「――しかし、これはなにか、司直のお指図でござろうか、それとも当山の役寮の沙汰であろうか。先に、無動寺よりの届けには、滞在のこと苦しからずと、おゆるしあったものを、遽かな御厳命、甚だその意を得ぬが」
突っ込むと、
「おう、そう訊くならばいってつかわそう。役寮においては最初、下り松にて吉岡方の大勢をただ一名で相手にしたさむらいと、おてまえに、満腔の好意をもっていたのであるが、その後、いろいろと悪評が伝わり、お山に匿まい置くべからず――という衆議になったからじゃ」
「……悪評」
武蔵は、さもあろうことのように頷いた。その後の吉岡方が、世間でどう自分をいいふらしているか――想像するに難くないからである。
ここで、そんな噂をまた聞きした人々と、なにをかいい争おう。