Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
机の前に、腕を拱んで、新蔵は思わず太い息をついた――自分を措いて今、誰が老いたる師の病床を見る者があろう。
道場には幾人かの内弟子もいるが、皆、武骨な軍学書生である。門に通う者はなおさら、威を張り、武を談じ、孤寂な老師の心情をふかく酌んでいる者は少ない。ややともすれば、ただ外部との意地や争闘にのみ走りやすい。
すでに今度の問題にしてもそうである。
自分の留守のまに、佐々木小次郎が、何か兵書の質疑で、勘兵衛に糺したいことがあるというので、門人が彼を師の勘兵衛に会わせたところ、教えを乞いたいといった小次郎が、かえって、僭越な議論をしかけて、勘兵衛をやりこめるために来たかのような口吻なので、弟子たちが、別室へ彼を拉して、その不遜をなじると、かえって小次郎は大言を放ち、そのうえ、
(いつでも相手になる)
と、いって帰ったとかいうのが原因なのである。
原因は常に小さい。しかし結果は大きなことになった。それというのも小次郎がこの江戸で、小幡の軍学は浅薄なものだとか、甲州流などというが、あれは古くからある楠流や唐書の六韜を焼直して、でッち上げたいかがわしい兵学だとか、世間で悪声を放ったのが、門人の耳に伝わって、よけいに感情が悪化したせいもあるが、