Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
「……どうしたものか」
と、そのうちに誰か呻く。
「…………」
重い沈黙の上に、きょうも梟が啼いている。――と、突然、名案が泛かんだように一人がいった。
「おれの従弟が、柳生家に奉公している。柳生家へご相談して、お力を借りてはどうだろう」
「ばかな」
と、幾人もいった。
「そんな外聞にかかわることができるか。それこそ、師の顔に泥を塗るようなものだ」
「じゃあ……じゃあどうするか?」
「ここにいる人数だけで、もう一度佐々木小次郎へ、出会い状をつけようではないか。暗闇で待ち伏せるなどということはもうしない方がよい。いよいよ、小幡軍学所の名折れを増すばかりだ」
「では、再度の果し状か」
「たとい、何度敗れても、このまま退くわけにはゆくまい」
「もとよりだ。……だが、北条新蔵に聞こえるとまたうるさいが」
「勿論、病床の師にも、あの秘蔵弟子にも、聞かしてはならない。――では、社家へ参って、筆墨を借り、すぐ書面を認めて、誰か一名、小次郎の手許へ使いに立つとしよう」
腰を上げて、大勢がひっそりと、平河天神の社家のほうへ歩みかけると、先に歩いていたのが不意に、あッと口走って、身を退いた。