Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
六
未開の天地では、人間よりも、鳥獣のほうが、自然の恵みを、より多く享け、より多く楽しんでいるかに見えた。
六
やはり、子どもは、子どもである。
土の下に、父を葬って帰るさには、もう父のことを忘れている。いや忘れてもいまいが、葉の露から昇る曠野の日輪に、生理的に、悲しみなどは、吹きとんでいた。
「なあ、おじさん、いけないかい。おらは、今日からでもいい――。この馬に、何処までも乗って行って、何処までも、おらを連れて行ってくんないか」
山の墓所を降りてからの帰り途――
三之助は、武蔵を、客として、馬にのせ、自分は、馬子として、手綱を引いていた。
「……ウム」
と、うなずいてはいるが、武蔵は明瞭な返辞はしない。そして心のうちでは、この少年に、多分な望みをかけていた。
けれど、いつも流浪の身である自分が先に考えられた。果たして、自分の手によって、この少年を幸福にできるかどうか、将来の責任を、自分に問うてみるのであった。
すでに、城太郎という先例がある。彼は、素質のある子だったが、自分が流浪の身であり、また自分にさまざまな煩いがあるために、今では、手元を離れて、その行方もわからない。