Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

二

後で、訊ねてみよう」

と、呟いた。

その時、襖隣で、なにか喧嘩が始まった。いや喧嘩ではなく、賭博のもつれで、なにか紛争が起ったらしいのだ。――武蔵は、なかなか来ない蕎麦の待ち遠しさに、手枕をかって、とろとろしていたが、ふと眼をさまして、

「伊織。隣の衆へ、少しお静かにしてくださいと申せ」

といいつけた。

二

そこの境を開ければ、すぐ事は済むが、武蔵の横になっている姿が先に見えるので、伊織は、わざわざ廊下へ出て、隣の部屋へ、いいに行った。

「おじさん達、あんまり騒がないでおくれよ。此方に、おらの先生が寝ているんだから」

すると、

「何?」

と、博労たちは、賭博の紛争に血ばしった眼を、一斉に伊織の小さい姿へ移した。

「なんだと、小僧」

伊織は、その無礼に、むっとして口を尖らしながら、

「蠅がうるさいから、二階へ越して来たら、またみんなが騒いでいて喧しくってしようがないや」

「てめえがいうのか、てめえの主人でも、そういって来いといったのか」

「先生がさ」

「いいつけたんだな」

「誰だって、うるさいよ」

「ようし、てめえっちのような、兎の糞みてえなチビに、挨拶しても仕方がねえ、後から、秩父の熊五郎が返答にゆくから引っ込んでろ」