Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
「いくら武蔵だって、羽が生えているわけじゃなし、まあそう、焦心りなさんなッてえことよ。あとで、お稚児の小六が、佐々木様の所へ行って、篤と相談して来るといっているから――」
菰がいうと、
「なんじゃ、小次郎殿のところへ、昨夜行くといっていながら、まだ行っていないのか。――面倒な、わしが自身で行って来る程に、小次郎殿の住居は何処か教えてたも」
と、ばばは、自分の部屋にあって、もう身支度に忙しない。
三
佐々木小次郎が江戸の住居は、細川藩の重臣で岩間角兵衛が邸内の一棟――その岩間の私宅というのは、高輪街道の伊皿子坂の中腹、俗に「月の岬」ともいう地名のある高台で、門は赤く塗ってある。
――と、眼をつぶっても行けるように、半瓦の部屋の者が、教えて聞かすと、
「わかった。分った」
お杉ばばは、年よりの鈍を、若い者たちから見くびられたように取って、
「造作もない道、行て来る程に、後をたのみますぞ。親分どのもお留守、わけて火の用心に気をつけての」
草履の緒を結い、杖をつき、腰には伝家の一こしを差し、半瓦の家を出て行った。
何か用をして、ふと、出て来た菰の十郎が、
「おや、ばあさんは」