Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
ただ今、店先へ佐々木小次郎とかいう者がみえ、お目にかかりたいようなことをいっていますが、お会いなさいますか、それとも、もうお寝みだと、ていよく断っておきましょうか……どうなさいますかな? ……どうにでも、お気のままに、返事をしておきますが)
二、三度、部屋の外でいったようには思ったが――武蔵はそれに返辞をしたかしないか――自分自身で弁えていない。
そのうちに、耕介が、
(あっ?)
と、何か物音を聞きつけて、忽然と去ってしまったらしいが――それにもべつに気を惹かれず、武蔵はなお、依然として小刀の先を、八、九寸ほどな彫刻の木材に向けて、そこの小机から、膝から身のまわりまで、いっぱいな木屑にして屈み込んでいるのであった。
彼は、観音像を彫ろうとしていた。――耕介から申し受けた無銘の名刀のかわりに――観音様を彫ってやる約束をしたので、きのうの朝から、それにかかっているのである。
ところで、その依頼について、凝り性な耕介には、特別な望みがあった。
それは何かというと、
(折角あなたに彫っていただくものなら、自分が、年来秘蔵している古材があるので、それをお用い下さいませんか)