Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
二
後ろの荷駄に乗っている一文字笠は、先へゆく頬かぶりの前髪男へ手をあげて、
「城太、城太。この辺で腹を拵えて行こうではないか。馬にも飼糧をくれねばならぬし、わしも、一ぷく煙草がつけたい」
と、鞍の上でいった。
うす暗い燈のもれている飯屋の外に、荷駄を繋いで、二人は中へはいった。若い方の前髪男は、入口の端に腰かけて、飯をたべながらも、たえず荷駄の背を見張っているようであった。そして、自分が喰べ終るとすぐ外へ出て来て、こんどは二頭の馬に、干糧を飼っていた。
二
その間、伊織もよそで買喰いをしていた。そして荷駄の二人がまた、宿場の先へ進んで行くのを見ると、口をうごかしながら、後ろから追いかけて行った。
道はまた、暗くなった。しかし武蔵野の草から草の平地である。
鞍の上から、鞍の上を顧み合って、荷駄のふたりは、時々話しかけてゆく。
「城太」
「はい」
「木曾の方へ、前ぶれの飛脚は出しておいたろうな」
「手筈しておきました」
「では、首塚の松へ、木曾の衆が来て、こよい待ち合せているわけだの」
「そうです」
「時刻は」
「夜半といっておきましたから、これから参れば、ちょうどよい頃になりましょう」