Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme

Aozora Bunko

眼。

眼。

眼。

いつも師からやかましくいわれている力が、伊織のひとみへ無意識にぐっと上がった。顔じゅうを眼にしたような伊織の顔だった。

「生かしておけない」

睨み負けしたように城太郎が呟いて、かなり長い腰の刀を抜いて見せた時である。まさかと、そうなってもまだ、幾分多寡をくくっていた伊織が、最初に敵の小手を切ったことに、すっかり自信をもったらしく、ぱっと野差刀を振りかぶって、斬りつけて来た。

その跳びつき方も、常々、武蔵へかかってゆく仕方と同様であるから、それは受けはしたものの城太郎には、意外な圧倒感を、腕にも精神的にも、受けたことに間違いない。

「生意気なっ」

もう城太郎も全力だった。殊にどうしてか、宝蔵破りの件を知っているこのチビは、自分たち一類のためにも生かしておけないと思った。

躍起になって、斬りつけてくる伊織の攻勢を無視して、城太郎は、まっ向に一太刀あびせてやろうと押して行った。けれど、伊織の敏捷は、はるかに城太郎に勝るものがある。

「蚤みたいな小僧だ」

と、城太郎は思った。

そのうちに、伊織はふいに駈け出した。逃げるのかと思うと、踏み止まってまたかかってくる。