Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme

Aozora Bunko

お供は荒木村の丑之助。――近ごろ丑之助は、兵庫に愛されて、前よりも屡城へ見えるが、きょうは二人の供について、背に弁当の包みを負い、兵庫の換え草履一そく腰に挟んで、なりの小さい草履取――という恰好して後から歩いてゆく。

この主従も、往来の人々も、いい合せたように皆、やがて町中のひろい野原に流れこんだ。野のそばに興福寺の伽藍があり森が囲み、塔が聳えてみえる。

また、野から彼方の高畠には、坊舎や神官の住居がみえ、奈良の町屋は、その先の低地に昼間も霞んでいた。

「もう済んだのかな?」

「いや、食休みでございましょう」

「なるほど、法師輩も、弁当をつこうておる。――法師も飯を喰うものとみえる」

兵庫がいったので、助九郎はおかしくなって笑い出した。

人はおよそ四、五百名もこの野に集まっていたが、野が広いので、まばらにしか見えない。

ちょうど、春日野の鹿のように、ある者は立ち、ある者は坐り、ある者はぶらぶら歩いている。

だが、ここは春日野ではなく、旧平安三条の内侍ヶ原であった。その内侍ヶ原には、きょうは何か興行があるらしい。

興行といっても、都会をのぞいたほかは、小屋掛などすることは稀れにもない。