Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme

Aozora Bunko

この御山には、光厳、光明、崇光の三上皇も、御幸していらせられたので、一山には、守護の武士たちや、公卿たちも、夥しい数にのぼり、賊軍の襲来に備える兵馬兵糧の料はもとよりのこと、永い年月のうちには、供御の炊ぎに奉る朝夕のものにも事欠いて、当時の様を眼のあたりに見た禅恵法印の記したものを見れば、

坊舎山房皆切払イ

損亡申ス計リ無シ

と、嘆いております。

しかもその間、主上には寺の食堂を政庁に充てられ、寒日も火なく、炎日もお憩いなく、政務をおとり遊ばしていたとやら。

光悦は、そこでふと、声をのんで、

「この辺り、あの食堂といい、摩尼院と申し、皆そうした御遺跡でないものはございません。この上にある、院のお墓というのも、光厳院法皇の御分骨をお奠めしてある霊地といい伝えておりますが、足利の世このかた、御垣は仆れ、朽葉に埋れ、あまりに荒れはてておりますので――今日はふと、朝から母といいあわせて、院のお墓のあたりからそここことなく、お掃除をさせて戴いていたわけなのです。――もっとも、それも徒然であろうといわれれば、それまでのことですが」

と、笑みを含んでいった。

三

われ知らず権之助は、身のちぢまる思いをこうむり、襟を正して聞き入っていた。