Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
よくもまあ、女ひとりで、思い切って」
「そんなことまで、染屋の小母が話しましたか」
「何もかも、聞いているわさ。宮本村でも、うわさしているし」
「お恥かしゅうございます」
「恥かしいことがあるものか。好きな人を、そうやって、慕っていなさる心根は不愍とも優しいともいいようがねえ。だがお通さん、お前のまえだが武蔵殿も少し薄情だのう」
「そんなことはございませぬ」
「恨みとも思わないのかえ。やれやれ、よけいに可憐しい」
「あのお方はただもう御修行の道にひたむきなのでございます。……それを想い切れない私の方が」
「悪いというのかい」
「すまないと思っております」
「ふうむ……。家の嬶にも、聞かしてやりたいのう。女は、そうありたいもの」
「お吟さまは、まだ他家へ、お嫁きにならないで、御親類にいらっしゃるのでございますか」
「さ。……どうだろう」
万兵衛は、話の穂を折って、
「あれに茶店がある。ひと休みしようか」
街道の茶店へはいって、茶をのみ、弁当など開いていると、
「よう飾磨の」
と、通りかけた馬子や荷持の雑人たちが馴々しく言葉をかけて、
「きょうは半田の賭場へは寄んねえのか。こないだは麻万に攫われたと、みんな口惜しがっていたぞい」