Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
「え……還俗する?」
又八は、辻褄合っているつもりだが、平静に聞く者には、ひどく辻褄が合わなすぎた。
「それはまた、どういう仔細かな。どうもご容子がちと変だが」
「詳しいことは、いえませんし、いっても、他人には馬鹿げていますが、以前、一緒に暮していた女にそこで会いました」
「ははあ。昔なじんだ女子に」
呆れ顔する二人に、しかも彼は生真面目であった。
「そうです。その女子が、嬰児を負ぶっているので――。年月を繰ってみると、どうも自分の生ませた子に違いありません」
「ほんとですか」
「ほんとに子を負ぶって、河原を物売りして歩いていたんで」
「いやいや、落着いて、よく考えてごらんなさい。いつ別れた女子か知らぬが、ほんとに、自分の子かどうか」
「疑ってみるまでもありません。いつの間にか、てまえは父になっていたのです。……知らなかった。済まなかった。……急に今、胸を責めつけられました。てまえはあの女に、あんな惨めな物売りはさせては置かれません。また、子に対しても、父らしい務めをしなければなりません」
「…………」
光悦は、権之助と、顔を見合わせて、多少の不安を覚えながらも、