Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
「武蔵どの」
「宮本氏ではないか」
年配な藩士たちは、駈け寄って彼のすぐ後ろに立った。
遠くから呼ばれた時、武蔵はいちど振向いて、その人達の来るのは知っていたが、皆見覚えのない者ばかりなので、自分とは思わなかったのである。
「……はて?」
小首を傾げると、中でも年長の老武士が、
「もうお忘れじゃろ。われらに、見覚えがないのもむりはない。それがしは内海孫兵衛丞。元、其許の郷里、作州竹山城の新免家で、六人衆といわれた者どもじゃよ」
つづいて、次の者が、
「自分は、香山半太夫」
「わしは井戸亀右衛門丞」
「船曳杢右衛門丞」
「木南加賀四郎」
と、名乗って、
「いずれも、御身とは同郷の者ども、そしてまた、この中の内海孫兵衛丞と、香山半太夫の二老人は、其許の父上、新免無二斎どのとは、至って親しい友達でもござった」
「……おお、では」
武蔵は、親しみを笑靨に見せて、その人々へ、会釈をし直した。
なるほど、そう聞けば、この人々には、特有な訛りがある。しかもその訛りはすぐ自分の少年時代を思い出させるなつかしい郷里の土の香まで持っている語音だった。
「申しおくれました。おたずねの通り、拙者は宮本村の無二斎の伜、幼名武蔵と申した者にござりますが。