Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
三
駕屋は、武蔵へもすすめたが、武蔵は乗ろうともしない。新蔵の駕のわきに付いて歩いて行くのだった。
「あ。駕へ乗せやがった」
「こっちを見たぞ」
「騒ぐな、まだ早い」
駕と武蔵が、外濠を見て右へ曲ると、町角に現われた一団の無法者が、各※(二の字点、1-2-22)、裾をまくり、腕をたくし上げて、その後から、尾いて行った。
半瓦の部屋の者である。今日の遺恨ばらしを待っていたぞという顔つき。どの眼もどの眼も武蔵の背と駕の中に飛びつきそうにぴかぴかしている。
牛ヶ淵まで来た時である。駕の棒へ小石が一つカンと刎ね返った。それと共に、遠巻きに拡がった無法者の群れが、
「やいっ、待て」
「野郎、待て」
「待て」
「待て」
すでに前から怯えていた駕かきは、かくと見るや、駕をおいて、横っ飛びに逃げ出した。その姿を越えて、また二ツ三ツ石つぶてが武蔵へ向って飛んで来た。
卑怯と見られることは無念なように、北条新蔵は、刀を抱えてすぐ、駕から這い出し、
「待てとは、わしか」
と、突っ起って、応戦の身構えを取った。武蔵は、彼の身を庇いながら、
「用事をいえ」
石の飛んで来る方へいった。
無法者たちは、浅瀬を探るように、だんだん寄り詰めて来たが、