Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
曲終つて撥ををさめ 心に当てて画す
四絃一声 裂帛のごとし
「――このように一面の琵琶が複雑な音を生みまする。わたくしは禿の頃から、琵琶の体が、不思議で不思議でなりませんでした。そしてついには、自分で琵琶を壊し、また自分で琵琶を作ってみたりするうちに、おろかなわたくしにも、とうとう琵琶の体の裡にある琵琶の心を見つけました」
そこで言葉を切ると、吉野はそっと立って、さっき弾いた琵琶をかかえて来て再びそこへ坐った。海老尾を軽く持って、武蔵と自分の間に、それを立てて眺めやりながら、
「ふしぎな音色も、この板の体を割って、琵琶の心を覗いてみるとなんのふしぎでもないことがわかりまする。それをあなたへお目にかけましょう」
薙刀の折れでもあるような細い鉈が、彼女の嫋やかな手に振上げられた。あっと、武蔵が息を嚥む間に、はやその鉈の刃は、琵琶の角へ深く入っていた。袈裟板のあたりから桑胴の下まで、丁々と、三打ち四打ち、血の出るような刃音だった。武蔵は自分の骨へ鉈を加えられたような痛みを覚えた。
しかし、吉野は惜し気もなく、見る間に琵琶の体を縦に裂いてしまっていた。
四
「ご覧じませ」