Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
二
藁だの、牛車の輪だの、牛の糞だのが、いっぱいに散らかっている。南宗寺の使いは驚いた顔したが、城太郎はもう客を置いて彼方へ駈け出していた。
広い邸内を庭づたいに走り、「西の屋」の陽あたりのよい一間を覗いて、
「――お通さん、蜜柑買って来たよ」
と、さけんだ。
二
薬を服んでいるし、手当も十分なはずなのに、どうしたのか、こんどの熱症はさがらない。
従って、食慾がなかった。
自分の面へ手が触れるたびに、お通は、
(ああ、こんなに痩せて)
と、ふと驚く。
病気というような病気は自分でもないと信じているし、見舞ってくれた烏丸家の医師も、心配はないと保証していたが、どうしてこう痩せてしまうのかしら――そこについ神経質な悩みと熱症がからむ。しきりに、唇が乾くので、
(蜜柑が喰べたい)
と、ふと洩らしたところ、この数日来、なんにも喰べないでいる彼女の容態をひどく心配していた城太郎は、
(蜜柑――)
と、問い返すと、早速、それを取りに、先刻ここを出て行ったのであった。
台所の役人に聞いたところが、蜜柑などはお館にもないという。それから外へ出て、青物店だの食べ物屋を見て歩いたが、どこにも蜜柑はなかった。