Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

四

「もう忘れたの」

「あ、武蔵様が、いつここへ来るのかって、それを催促することだね」

お通の痩せている頬に、紅い血がかすかにさした。その顔を夜具の襟で半分かくしながら、

「いいこと、忘れてはだめですよ、きっとね、きっと訊いてね」

と、念を押した。

四

沢庵は光広の居間へ来て、光広と何か話している折だった。

そこの襖を開けて、

「沢庵さん、なにか用?」

城太郎が後ろに立つと、

「まあ、坐りなさい」

と沢庵がいい、光広は、城太郎の不作法を寛している眼元で、にやにや眺めていた。

側へ坐るとすぐ、城太郎は沢庵へ向っていった。

「あのね、沢庵さんとこへ、泉州の南宗寺から、沢庵さんみたいな坊さんが、急用の使いに来て待ってるよ。呼んで来てあげようか」

「いや、そのことなら、今聞いた」

「もう会ったの」

「ひどい小僧だと、あの使いがこぼしていたぞ」

「どうして」

「はるばる来た者を、牛小屋へ案内して、ここで待っておれといったまま、捨てておいたというじゃないか」

「でもあの人が、自分から、どこか邪魔にならないところへ置いてくれといったからさ」

光広は、膝を揺すって、

「ハハハハハ、牛小屋へ入れておいたのか、それは酷い」