Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
ご勘弁くださいまし」
膝の懐紙と指の絵筆を、毛氈のうえに置いて、ていねいに手をつかえようとするので、武蔵は、いよいよもって、そんな理由で自分が老母の驚きを求めたわけでないことを、明白にしなければならなくなった。
「あいや……」
自分も膝を地へ落して、武蔵はあわてて、光悦の辞儀をさえぎった。
「あなたがご子息でござるか」
「はい」
「おわびは、拙者からせなければならぬ。なんで、お驚きなされたか、自分にはとんと分らぬが、此方のすがたを見ると、ご老母が、この小笊を捨ててお逃げなされた。……見ればお年寄が、せっかく摘まれた若菜や芹などの種々が後に散っているではないか。この枯野からこれだけの青い物をお採りなされたご老母の丹精を思うと、自分がご老母を驚かした理由はわからぬが、済まないと存じたのです。……で、菜を小笊へ拾いあつめて、これまで持って来ただけのことです、どうかお手をあげてください」
「ああ、そうですか」
光悦は、それですっかり分ったように暢々と笑いながら、母のほうへ向って、
「お聞きあそばしたか、母者人は、なんぞ思い違いをなされたのでございましょうが」
すると、彼の母は、いかにもほっとしたらしく隠れていた下男の背の蔭から少し出て来て、