Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

「ある場合もありましょう」

「ない! それでは兵法ではない、無法というものだ、滅茶だ」

「では、兵法にはないが、拙者の場合だけには、あるとしておこう」

「外れている」

「……ハハハハ」

武蔵はもう答えない。

しかし、小次郎は熄まない。

「そんな兵法に外れている戦の仕方をなぜなさるのじゃ。なぜもっと、活路をお取りなさらぬのだ」

「活路は、今歩いている、この道こそ、拙者にとっては活路です」

「冥途の道でなくば、倖いだが――」

「或はもう、今越えたのが三途の川、今踏んでゆく道が一里塚、行くての丘は針の山かもしれません。――しかし、自分を生かす活路はこの一筋よりほかにあろうとも思われぬ」

「死神にとりつかれたようなことを仰っしゃる」

「なんであろうとよい。生きて死ぬる者もある。死んで生きる者もある」

「不愍な……」

独り語のように小次郎が嘲笑うと武蔵は、立ち止まって、

「小次郎どの――この街道は真っ直何処へ通じますな」

「花ノ木村から一乗寺藪之郷――すなわち、貴所の死場所の下り松を経て――これから叡山の雲母坂へ通っております。それゆえ、雲母坂道ともいう裏街道」

「下り松まで、道程は」