Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
三
だが、達人だなどいう評判はあたらぬも甚だしい。――強いて達人というならば、武蔵は『逃げの達人』だ。逃げ足の迅いことだけは、確かに名人といってもよい」
三
立て板に水を流すような小次郎の弁舌だった。叡山の講堂でも、この弁をふるって演舌したことであろうと思われる。
「――素人考えだと何十人と一人の闘いは、容易ならぬものと思うだろうが、何十人の力は、一人一人の実力が何十倍となったものでは決してない」
という論法から、小次郎は当日の勝負を、専門的知識にかけて、舌にまかせて論破する。
岡目八目という立場からいえば――武蔵のあれ程な善戦も、いくらでも非難することができた。
次にまたこの小次郎も、武蔵が名目人の一少年までを討ったということを、口を極めて、悪罵した。単なる罵倒にととまらず、これを人道的にみて――また武士道の上からみて――剣の精神のうえからもゆるし難い人間であると断じつける。
さらに、彼の生い立ちや、郷里でやって来た行状だの――現に今も、彼を仇とねらっている本位田なにがしという老母があるはずだということにまで及んで、
「偽りと思うならば、その本位田の老母に聞いてみるがよい。