Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
鍛冶町だの、槍町だの、紺屋町だの、畳町だの、職人色に町がわかれていた。大工町の半瓦の家は、その中でひどく変っていた。屋根の半分が瓦で葺いてあるのが、誰の眼にもついた。
二、三年前の大火以後、町の家は板屋葺になったが、その以前は、草葺屋根がおおかたであった。弥次兵衛は往来に向った方だけ、瓦で葺いたので、
(半瓦、半瓦)と、それが通り名になってしまい、自分も得意だった。
江戸へ移住して来た初めは、弥次兵衛はただの牢人者だったが、才気と侠気が備わっているので、人を御すのが上手、町人になって、屋根請負いを始め、やがて、諸侯の普請人足を請負うようになり、また、土地の売買をやったりして、今では懐手をして「親分」という特殊な敬称をうけている。
「親分」とよばれる特殊な権力家は、新しい江戸には今、彼のほかにも、簇生してきた。しかし彼はその中でも顔のひろい「親分」であった。
町の者は、武家をさむらいと尊敬するように、彼らの一族をも「男伊達」と敬称して、むしろ武家の下風にある自分たちの味方の者としていた。
この男伊達も、江戸へ来てから、風俗だの精神は大いに変化したが、江戸の町から発生した生え抜きではない。