Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

――だが、逃げるなよ、いざとなって」

退くに退けないようにして、相手は要心ぶかく、言葉で先に縛ってくるのだった。しかし、その手に乗せられてはなどという先見は持たない又八なのである。まだ十分、先をあまく見て、

「広言はよせ、考え直すなら今のうちだぞ、足もとの明るいうちに失せてしまえ、生命だけは助けてやる」

「その言葉は、そのまま、そちへ返上しよう。――ところで、そこな人間殿、先程黙って聞いておれば、わしなどへ名乗って聞かすような名でないと、だいぶ勿体ぶってござったが、そのご尊名をひとつ伺っておこうではないか。それが勝負の作法でもあるし」

「おお、聞かせてもいいが、聞いて驚くな」

「驚かないように、胆をすえておたずねしよう。――してまず、剣のお流儀は」

そんなことを喋々する人間にかぎって強かった例がない。又八は、いよいよ、こう見縊ったり、図に乗って、

「富田入道勢源のわかれを汲んで、中条流の印可をうけている」

「え、中条流を?」

小次郎は、少し驚き始めた。

ここで、圧倒的に出なければ嘘だと思ったように、又八は押しかぶせて、

「ではこんどは、そっちの流儀を聞かせてもらおうじゃねえか。