Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
梟
一
「肩……肩だおい……」
「ど、どうするんで? 先生」
「両方から肩を貸せというのだ――もう、あるけない」
菰の十郎とお稚児の小六の肩にすがって、汚れた夜更けの色街を、蹌踉ともどって来るのだった。
「だから、泊ろうと、おすすめしたのに」
「あんな楼に、泊れるか。……おい、もういちど、角屋へ行ってみよう」
「およしなさい」
「な、なぜ」
「だって、逃げ隠れするような女を、むりに、つかまえて、遊んだって……」
「……む。そうか」
「惚れているんですか、先生はその女に」
「ふ、ふ、ふ、ふ」
「何を思い出しているんで」
「おれは、女になど、惚れたことはないな。……そういう性格らしい。もっと、大きな野望を抱いているから」
「先生の望みってえのは?」
「いわずとも知れている。剣を持って立つ以上、剣の第一人者にならずにはおかない。――それには将軍家の指南になるのが上策だが」
「生憎と……もう柳生家があるし……小野治郎右衛門という人も近頃、御推挙されましたぜ」
「治郎右衛門……あんな者が。……柳生とて惧るるには足らん。……見ていろ、わしは今に、彼奴らを蹴落してみせる」
「……あぶねえ。先生、自分の足元の方を、気をつけておくんなさいよ」