Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
その神速の技に、彼は知らず知らず練磨も積んでいた。
「うぬ、覚えてろ」
土匪は、逃げはじめた。
約十名余りが五、六人になって、元来た方へ走って行った。
村には、まだ沢山な仲間が残って、狼藉の限りを尽している最中であろう。思うに、そこへ逃げ戻って、他の猛獣どもを糾合し、捲土重来して眼にもの見せてやろうというつもりとみえる。
武蔵は一応、そこで自分も一息入れた。
そして先ず後へもどって、数珠つなぎにされて、野に仆れている女たちの縛めを斬りほどき、まだ起てる気力のある者に、起てない者を介抱させた。
彼女らは、もう礼をいう口さえ失っている。武蔵のすがたを仰いで、ただ唖のように、こもごも手をつかえて泣くばかりだった。
「もう安心するがよい」
武蔵はまずいって――
「村には、まだおまえたちの親や子や良人が残っているのだろう」
「ええ」
と、彼女らは頷く。
「それも救わなければなるまい。おまえ達だけが助かって、老いた者や、子たちが助からなかったら、おまえ達はやはり不幸だろう」
「はい」
「おまえ達は、自分を護り、人を救い合う力を持っている筈なのだ。その力をお前たちは、結びあうことも、出すことも知らないので、賊にいたされるのだ。