Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
五
「かっッ」
一颯!
また一颯!
血しぶきから血しぶきへ、武蔵の影は跳び移ってゆく。
麻幹を斬るという言葉はあながち誇張ではない。斬られるものが、狼狽のあまり半ば喪心してしまい、斬る者は手に入って、斬るごとに無我心業の境になってゆくのである。土匪どもは、物々しいいでたちほどもなく、わっと、元の道へ逃げ出した。
五
「――来たっ」
「来たぞ」
道を挟んで、物陰にかくれていた土民たちは、そこへ逃げて来る賊の跫音を聞くと、
「わッ」
と、いちどに蜂起して、
「こなくそ」
「けだものめが」
竹槍、棒、雑多な得物を揮いながら、押しつつんでは撲り殺した。
そしてまたすぐ、
「かくれろ」
と、身を伏せ、やがて散々になって来る賊を見ると、再び、わっと包んで、
「野郎」
「野郎」
蝗を退治るような衆の力で、賊の個々を、一人一人打ちのめしてしまった。
「こいつら、口ほどもねえがよ」
土民たちは、遽に、気負い出した。そこらに数えられる賊の死骸を見て、今までは観念的に、ないと思っていた力が、自分たちにもあると新しく発見したのだった。
「また、来たぞ」
「ひとりだ」
「やってしまえ」
土民たちは、犇めいた。