Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

武蔵はふと、

「どこだ、酒のにおいがする所は?」

と、土民にたずねた。

土民たちは、煙にばかり晦んでいたので、酒のにおいを感じなかったが、そういわれて、

「酒甕に酒をたんと貯めてあるのは、村長の家しかねえが」

と、いい合った。

賊は、そこを屯にしていると武蔵は教え、一同へ、策を授け、

「わしに続け」

と、また駈けた。

その頃、彼方此方から戻ってきた村の者は、もう百名を越えていた。床下や、藪の中に逃げこんでいた者も、次第に出て来て、彼らの団結は、強大になるばかりだった。

「村長の家はあれだ」

土民たちは、遠くから指さした。形ばかりの土塀に囲まれ、村では大きな家だった。近づいて行くと、そこらに酒の泉でも流れているように、酒の香が鼻を打ってくる。

六

土民たちが、附近の物陰へ隠れ込まないうちに、武蔵は、土塀をこえて、ただ一人、土匪の本拠としている農家の中へはいって行った。

土匪の首領と、主なる者は、広い土間の中に屯して、酒甕を開け、若い女をとらえて、酔いつぶれていた。

「あわてるな」

土匪の首領は、なにか怒っていた。

「多寡がひとりの邪魔者が出たからって、おれの手を煩わすまでのことはあるめえ、てめえ達の手で片づけて来い」