Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
「あ、これ。何かわしを思い違いしておるぞ。誰かすこし話の分りそうな土民を一名つれて来い」
徳願寺の僧が、どこからか一人連れて来た。佐渡はそれで初めて昨夜の真相を知ることが出来、
「そうだろう」
と、うなずいた。
「して、その牢人というのは、何という者か」
佐渡が、重ねて訊くと、その土民は首をかしげて、名は聞いたことがないという。佐渡は、ぜひ知りたいというので、寺僧はまた、聞き歩いて、帰って来た。
「宮本武蔵という者だそうでござります」
「なに、武蔵」
佐渡はすぐ、ゆうべの少年を思い起して、
「では、あの童が、先生と呼んでいたものだの」
「平常、あの子供を相手に、法典ヶ原の荒地を開墾し、百姓のまね事などをしておる、風の変った牢人にござります」
「見たいな、その男を」
佐渡は、つぶやいたが、――藩邸に待っている用事が思い起されて、
「いや、また参ろう」
と、駒をすすめた。
村長の門まで来ると、ふと佐渡の目をひいた物がある。今朝建てたばかりのような、真新しい制札に、墨色まで水々と、こう書いてあるのだった。
村の者心得べき事
鍬も剣なり
剣も鍬なり
土にいて乱をわすれず