Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

「御意」

と、いって笑った。

忠利はまた、弓掛を手に嵌めて、侍臣の手から弓を受取りながら、

「角兵衛の推挙いたした人物も見ようが、いつか、そちが夜話しに申した、武蔵とかいう人物も一度見たいものだな」

といった。

「若殿には、まだご記憶でございましたか」

「わしは覚えておるが、そちは忘れておったのではないか」

「いや、その後はついぞ徳願寺へも、詣でる折がございませぬために」

「一箇の人材を求めるためには、忙しい用を省いても苦しゅうあるまい。他用の序でになどとは、爺にも似あわぬ横着な――」

「怖れいりました。したが、諸方より御奉公申したいと、御推挙も多い所、それに若殿にも、お聞き流しのようでござりましたゆえ、ついお耳に入れたまま、怠っておりましたが」

「いやいや、余人の眼鏡なら知らぬこと、爺の眼で、よかろうというその人物。わしも心待ちにしていたのじゃ」

佐渡は、恐縮して、藩邸から自分の邸に帰ると、すぐ駒の支度をさせ、従者もただ一人連れたきりで、葛飾の法典ヶ原へいそいだ。

四

こよいは、泊っていられない。すぐ行ってすぐ帰るつもりである。心が急くので、徳願寺にも立ち寄らず、長岡佐渡は、駒を早めた。