Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme

Aozora Bunko

尋ねる邸は知れないし、余りに夜も更けてしまって、伊織は、帰るにも帰れなかった。使いに来て、使いを果さずに帰ることは、子ども心にも、恥辱に思われた。

「宿屋のおばあが、いい加減なことを教えたから悪いんだ」

彼は、自分が、堺町の芝居町で、さんざん道草をくって遅くなったことは、頭から忘れていた。

――もう訊く人もいない。このまま夜が明けてしまうのかと思うと伊織は、突然悲しくなって、木挽小屋の者でも起して、夜の明けないうちに、使いを果して帰らなければならないと、責任感に責められて来た。

で――彼はまた、歩き出した。そして掘建小屋の灯を頼りに歩き出した。

すると、一枚の菰を、番傘のように肩に巻いて、その掘建小屋を覗き歩いている女があった。

鼠鳴きして、小屋の中の者を、呼び出そうとしては、失望して、彷徨っている売笑婦であった。

伊織は、そういう種類の女が、何を目的にうろついているのか、元より知らないので、

「おばさん」

と、馴々しく声をかけた。

壁みたいな白い顔をしている女は、伊織をふり顧って、近くの酒屋の丁稚とでも見違えたのか、

「てめえだろ、さっき、石をぶつけて逃げたのは」