Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
三
手紙を持って、使いに参りました」
と、呶鳴った。
それからも、ふた言三言、門番は何かいったが、子供の声をいぶかりながら、やがて、門を少し開けて、
「なんだ今時分」
と、いった。
その顔の先へ、伊織は、武蔵からの返事をつき出して、
「これを、お取次して下さい。ご返事があるなら、貰って帰ります。なければ、置いて帰ります」
門番は、手に取って、
「なんじゃ……? ……おいおい子ども、これは、御家中の木村助九郎様へ持って来た手紙じゃないか」
「はいそうです」
「木村様はここにはおらんよ」
「では、どこですか」
「日ヶ窪だよ」
「へ。……みんな木挽町だって、教えてくれましたが」
「よく世間でそういうが、こちらにあるお邸は、お住居ではない。お蔵やしきと、御普請お手伝いのためにある材木の御用所だけだ」
「じゃあ、殿様も御家来方も日ヶ窪とやらにいるんですか」
「うむ」
「日ヶ窪って、遠いんですか」
「だいぶあるぞ」
「どこです」
「もう御府外に近い山だ」
「山って?」
「麻布村だよ」
「わからない」
伊織はため息をついた。
だが、彼の責任感は、なおさら彼をこのままで帰る気持にはさせない。
「門番さん、その日ヶ窪とやらの道を、絵図に書いてくれないか」