Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 508.883 Zeichen · 1017 Bildschirme
四
主の声らしい。
小次郎は、戸の外から、
「細川家の岩間角兵衛どのの手から、研を頼んである者じゃ」
「あ、あの長剣ですかな」
「ともあれ、開けてくれい」
「はい」
――やがて戸が開く。
じろりと、双方で観る。
耕介は立ち塞がったまま、
「まだ研げておりませぬが」
無愛想にいう。
「――そうか」
と、返辞をした時は、小次郎はもう関わず中へはいって、土間わきの部屋の框へ、腰をすえこんでいたのである。
「いつ研げる?」
「さあ」
耕介は自分の頬を抓む。長い顔がよけいに伸びて眼じりが下がる。何か人を揶揄しているように見え、小次郎はすこし焦々した。
「あまり日数がかかりすぎるではないか」
「ですから、岩間様にも、お断りしておいたわけで。日限のところは、おまかせ下さいと」
「そう長びいては困る」
「困るなら、お持ち帰りねがいたいもので」
「なに」
職人ずれがいえる口幅ではない。小次郎は、そのことばや形を見て、人間の心を覗こうとしないので、さては、自分の訪れを早くも知って、武蔵が背後にひかえていることを、この男、強がっているに違いないと受け取った。
で、かくなっては、早いがいいと考え、