Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
六
どいて下さい!」
村川は、靴を脱ぐと、京子を押しのけようとした。
「何をなさるの!」
京子は、憤然として村川を支えようとした。村川は、それを満身の力で、押しのけて階段を上りかけた。
京子は、それを追おうとはしなかった。その代り急に、ヒステリックに笑った。
「おほほほどうぞ、お上りなさいませ。二階には倭文子さんがたくさんいらっしゃるわ。」
六
村川は、勢いよく階段をかけ上った。彼は先刻京子が階段を降りて来るのを見ていたので、倭文子も二階にいることを疑わなかった。上り切った廊下は、暗かった。だが、左側の大きい部屋にはカーテン越しに電灯が、あかあかと輝いて、ドアさえ半ば開かれたままなので、彼は倭文子がきっとただひとりぽつんと腰かけているだろうと、心を躍らせながら、ドアを思い切って開け、入口のところに立った、
だが、部屋の真中にテーブルをかこんで、煙草を吸っている二人の男を見ると、彼は大きい手で両肩をグッと押えつけられたように、そこへ立ちすくんだ。
今井は、村川の顔を見ると、ニヤニヤ笑った。
「村川君、君もやって来たのかい。何時の汽車だった。」
村川は、心の中のすべての勇気、希望、熱情があわのごとくふつふつと空しく消えて行くのを感じた。